「話を聞かせて頂けますか」


ルークが言うと、桃園さんが口を開く。


「私は、先ほど申したように、桃園学園の学園長もしています。桃園学園は、芸能関係の仕事に就きたい人を育成する学校です。


その内の1つの、モデル科で、撮影があるんです。その撮影は、30日に開催される大きなショーに出るモデルを決める物です。


その撮影に出る予定のモデルが、何人か体調を崩してしまって……。体調管理も勉強の内なので、残念だけど、撮影には参加できない。でも……」


そこまで言って、桃園さんは視線を少し泳がせる。


「でも?」


「……変に怪我をする子まで出てきて、もしかして、と。……撮影も、生徒も大切だから、守って欲しいんです」


桃園さんは、正面からルークの目を見る。


「……承りました」


ルークがそう答えると、桃園さんはホッと胸を撫で下ろす。