「だって、『α』でしょ……!?」


「依頼人の前だ。大人しくしてろ」


尤もな事を言われ、お盆を持ったまま学の隣に座る。


そして、ルークは話を促すように依頼人さんを見る。


「私は桃園真澄(モモゾノ マスミ)。桃園事務所の社長と桃園学園の学園長をしています」


桃園さんは名刺をルークに差し出す。


「『α』の伊吹梓(イブキ アズサ)です」


中性的な顔立ちをした、優しそうな声の人が言った。


そう言えば梨沙が、「梓は優しくて癒される透明感のある声がカッコいい」とか何とか力説してた。


「俺は天野駆流(アマノ カケル)」


背が高めで、伊吹さんより低い声の人が言った。


「駆流は聴きやすい歌声とイケメンボイス、ラップがめちゃくちゃカッコいい」とこれまた梨沙が力説していた。


2人とも変装のせいか、雑誌で見た時とは大分イメージが違う。