車に乗り、莉央さんが発車させたあと、助手席のルークにさっき貰った紙袋を渡す。


「……教科書?どうしたんだ?」


ルークは中を見て、怪訝そうにこちらを向く。


「桃園さんから。ルークが学校に行ってないって聞いたから、よければどうぞって。来年度には使わなくなるから、とも言ってた」


「……」


「貰っておけば?」


莉央さんに言われ、ルークは無言で紙袋を足元に下ろした。