「じゃ、あたし、もう行くね」


そう言った所で桃園さんが紙袋を持って出てきた。


「これ、宮間さんに渡してくれますか?」


紙袋を受け取り、中を見ると、教科書が入っている。


必要経費や物資は依頼人持ちだから、教科書とか制服はレンタルって事で、返却する事になっていたハズだけど……。


「宮間さん、学校には行っていないと田沼教頭に聞いたので……。高杉さんと宮間さんが使った、1、2年の物だけですが、よければ。来年度には使わなくなるので」


田沼教頭いい人じゃん!


ごめんね!感じワルッとか思って!


いや、実際感じ悪かったけど!


ありがとうございます、と一礼して、飛鳥と部屋の中にいる野田にも頭を下げて、玄関に向かう。