「受けさせてください……!」


「ええ。……事務所にはまだ人が足りないみたいなの」


中で誰かが立ち上がる音がして、ドアが開かれる。


「あなたさえよければ、そこで働いてみない?」


桃園さんが野田の事をまっすぐ見て続ける。


「ごめんなさい。あなたの気持ちをきちんと理解していなかったわ」


野田が俯く。


「……働きたいです。少しでも、自分が入りたかった世界に関係のある仕事がしたい、です」


顔を上げ、まっすぐ桃園さんの目を見て言う。