「待ってて、車持ってくるわ。」
小走りで走って行く後ろ姿を見送る。
「ね、やっぱり先生舞のこと気に入ってるよね!
舞の顔見た時嬉しそうだったもん!」
腕をツンツンして楽しそうに笑う陽奈に、そんなわけないよ。と首を振る。
ただ楽しんでるだけ。
気に入ってるの意味を間違えちゃいけないの。
「………ブスのくせに。」
後ろから聞こえた声にドキリとして振り向くと、3人の女の子がこちらを睨んでいた。
「どうせあんた達も佐々木先生の追っかけでしょ?」
「大学生ってだけで構ってもらえていいわね。」
「でもさ、あなた達知ってるの?
あの人が彼女を作らない理由。」

