「地元の人?」

「あ、○○市だから電車通学」

「えっ?!私も○○市だよ!」

ぱぁっと明るくなった陽菜の表情に思わずつられて笑った。

「本当?あたし最近引っ越して来たんだよね」

「そうなの?私ずっと変わってないから詳しいよ」

そんなノリから盛り上がり、一緒に帰る事になった。

陽菜は、本当に明るくてサバサバした性格だった。
初対面とは思わないぐらい話しやすくてすぐ打ち解けた。

「舞って1人暮らしなの?
偉いねぇ!」

「偉くなんかないよ。
良かったら上がってく?何もない部屋だけど」

いいの!?と顔を明るくした陽菜に微笑む。

階段を上って行くと、もう知らない!という女性の声と、カンカンカンというヒールで降りてくる音がした。

うわ、まさか…

「ひゃー、痴話喧嘩かな?」

笑う陽菜に笑い返す余裕もなく、不安な気持ちで廊下に出た。