桜舞う








ダーーーーンッ



秦と千秋が錆びたドアを蹴った音が響き渡る




あたし以外の幹部が中に入った





「おっやっと来た」




声が聞こえる



「お前らさぁ


誰連れてったか分かってんの?」



要の声だ



「清那まみ(せいなまみ)



すごいですね


桜のレディースは隆黒に通ってるなんて」



こいつら秦たちも通ってることには気づいてないんだ




「んで嵐は来てないんですか?



伝説の廉が総長を譲った相手が女だって確認したくてやってるのに」





あたしはこぶしを握り締めた






「お前ら聞いたことねぇ?」




秦が口を開いた




「何を?」









「桜のメンバーに手を出してはいけない




暗黙の了解だ」






あたしは中に入りながら言った