桜舞う




「俺澤度颯人(さわどはやと)

波夏夢紅来る?」




颯人が言ったとき廊下が騒がしくなった



「転校生って誰?」


顔を出したのは見覚えのあるやつ




「あたしだけど何か用?」


あたしが答えるとそいつは近寄ってきた



「俺は菊夜那智(きくやなち)

颯人達と同じ夢紅で副総長だ」



知ってます

わざわざ自己紹介どうも



「おい菊夜!

てめぇ抜け駆けしてんじゃねぇよ!」



うるさい奴もう一人登場


たしか花園の総長の神楽坂(かぐらざか)





二人で仲良く口論を始めたからあたしは一人席を立って教室を出た



携帯を出して秦に電話をかける




『ん?転校初日うまくやってるか?』



「まじだりぃ

くそ総長どもが勝手に言い争ってやがる」



『よかったな女扱いされて』



「よくねぇよ

今すぐ桜に帰りてぇ」



『お前その言葉使い気をつけろよな

バレるぞ』



「めんどくせぇな」



『やべっ中野来たから切るぞ』



すぐに電話が切れた音が耳に響いた