「桜が潰し行くって噂になってるぜ?」
那智が言う
「みたいだな
俺たちのところに来なければいいけど」
雄雅も言う
でも急がないと夢紅や花園にまわってくるのも時間の問題だ
「大変なんだね」
あたしは他人事のように相槌をうった
その時だった
後ろから誰か来る気配を感じ振り向くと雄雅と那智が頭を殴られた
人数はざっと見ただけでも20はいる
いつもだったら自力で何とかなるんだけど二人がいる手前
そうもいかない
そんなことを悠長に考えたのがバカだった
後ろから布で口をふさがれたかと思うとすぐに意識が遠くなるのを感じた
「「波夏!!」」
大声で叫ぶ二人の顔が見えあたしは完全に意識を失った



