校舎を出たところで誰かに呼ばれて振り向くと水森かんなだった


「かんな」


「あの・・・きちんと謝りたくて・・・

本当にすみませんでした!」


かんなが頭を下げる


その言葉にあたしは首を横に振った


「別にかんなのせいじゃないから

あの状況であたしたちもはめられてて瑞也もかんなと同じこと思ってた

仕方ないから

それに謝らなきゃなんないのはあたしの方」



「え?」



「あの時のあたしは桜を引き継いだばっかりで

あの瞬間自分たちの身を守ることしか考えてなかった

あたしの頭には潤をあたしが助けるって考えがなかったんだよ

その結果瑞也たちを傷つけて

その上かんなの痛みに今まで気づいてやれなかった


ごめん」


首を横に振るかんなの目からは涙がこぼれおちた


そして何かを差し出した


「これ

潤のブログのURLです

ここにはあたしとの思い出と一緒にいつも波夏さんがすごいって書いてあって


あの事件以来あたしはどうして潤がそんなこと書けたのか分からなかった



でも今分かりました」


1枚の紙を受け取る


「あたしレディースにいてもいいですか?」


「「「当たり前だろ」」」


秦と千秋と声が重なった



「気をつけて!」