―波夏side―


あたしは長い長い夢を見ていた


小学生から始まって今までを全部振り返る夢

秦と体力テストで勝負したり、

まみとお茶の稽古をしたり、

中学高校って思い出を振り返っていた




夢の中でもあたしは紅花に行って、


そして雄雅を助けに行った

黒崎の持った銃で撃たれた瞬間


あたしの周りは真っ暗になった



周りには誰もいなくなった



怖い




“帰りたい・・・秦のところに・・・”




そう思った時




“波夏”



誰かに呼ばれてあたしは暗闇の中で振り向いた


そこにいたのは2年前と何も変わらない潤だった



“潤・・・”



“いろいろありがとう”



“え?”


“波夏はまだ生きて


秦や千秋、瑞也


それから新しい仲間と一緒に”



“ごめん潤


守ってやれなくて”



あたしの言葉に潤が首を横に振る




“かんなを頼む”


そう言ってほほ笑んだ潤に向かって頷いた瞬間




目にまぶしすぎる光が差し込んだ