「確かに小学生離れした言葉だったよ
でもこの時思ったんだ
この女には一生かかっても絶対に勝てないって」
海竜の存在も忘れて一人でべらべらとしゃべってしまった
海竜も何も言わない
「わりい
しゃべりすぎた」
「いえ
波夏が桜乃組に関わってるって知ったのはいつなんですか?」
「次の日」
「早いっすね」
海竜が笑う
「お前何者なんだって聞いたら
“知りたければついてくれば?”
って言うから放課後家までついて言ったら
和風の超でかいお屋敷でしかも門入ったら黒いスーツ着た男の人たちがずらっと並んでて
“お帰りなさいませお嬢”
って声そろえて言うんだからビビったなんてもんじゃねぇよ」
「それは怖いっすね」
海竜が笑う
「しかも波夏はケロッとした顔して
“簡単に言えばヤクザってやつだよ”
だって
笑えねえっつうの」
「確かに」



