「また一番は波夏ちゃん」
「くっそ!」
桜江波夏が転校してきてから約1カ月
「まぁまぁ」
千秋になだめられる
「あれはすげえわ」
瑞也も納得してる
「あいつ何者なわけ?!」
まみと楽しそうに笑う桜江波夏
今まで俺達が余裕で一番を取っていた体育で
その俺達を楽々越えやがった
かけっこもマラソンも跳び箱も球技もマットも
どんなことでも難なくやってのける
おまけに勉強だって完璧でテストはいつでも100点
英語だって外国人の先生とペラペラと笑いながら話しするし
「英才教育」
まみが笑顔でそう言う
「家の教育が意味分かんないだけだよ」
そう謙遜する桜江にイライラする
「桜江!俺と勝負しろ」
「は?」
気が付いたらそう口走っていた



