桜舞う




「えっでも・・・」


雄雅の思考回路が止まった



「嵐来い」


後ろから千秋に囁かれ引っ張られる



「待てよ!」


秦に殴りかかったのは那智



「だめ!!」


あたしの声は遅かった


秦は何ごともないように避け代わりに那智の腹を殴った



「しっ・・・」

秦の名前を呼ぼうとして千秋に口をふさがれる



「ちょっと借りるだけだ


すぐ返す」



そのままあたしは千秋のバイクに乗せられた



「波夏!」


雄雅に呼ばれて振り向くと携帯が飛んできた



「俺の携帯で夢紅の誰かに電話しろ

絶対助けてやる」



なるほどね



「ありがとう」


一応うろたえてるふりをした



「いこっか


波夏ちゃん」



秦後でぶん殴る



桜のバイクが動き出した