「ひとつ聞いていいか?」
俺は口を開いた
「なんだ?」
「波夏じゃなかったら誰と取引するんだ」
「お前どこまで知ってる?」
黒崎と名乗った男が俺の前に座り言う
「どこまで?
なんの話だ?」
俺が言うと顔を一発殴られる
「聞いてんのは俺だ
質問に質問で返すんじゃねえよ
仕方ねえから聞き方を変えてやるよ」
口の中が切れたみたいで血の味がする
「桜江波夏は何者か知ってるか?」
「まだ確かか分からねえけど
たぶん嵐だと思う」
「嵐だとしたらお前の周りに
もう一人桜華会関係者がいるよな?」
“もし波夏が嵐だったら
嵐の兄貴は伝説の廉で
それと結婚したのは女不良の華蓮だ
つまりお前が言うことが正しければ
桜江夢華は華蓮ってことになる”
那智の言葉を思い出す
「・・・桜江先生」
「よくできました」
そう言って今度は腹を殴られる



