-雄雅side-






波夏をマンションの前まで送り届けて帰る途中


黒い車が隣を並走し始めた



「危ねえなぁ」


そう思って止まると


車は道をふさぐように横向きに止まり



さらに後ろから来た同じような車が来て




俺を取り囲むような形になった



「なんなんだよ!」


俺が言うと車から男たちが降りてきた


人数的に俺一人じゃかなわない


見た感じ一般人には見えねえし




「はじめまして


海堂雄雅くん」




一人の男が言う


「誰だてめえ」



「これは失礼


黒崎遼というものです」






「黒崎ってまさか・・・」