「ん?」
「なんでお前をわざわざ隆黒から出したと思う?」
なんでいきなりそんなことを?
「さぁ?
そもそも理由なんてないと思ってた」
「桜の総長の重みを分からせるためだ」
「え?」
「お前は秦たちに本当に信頼されてる
でもな世の中は桜みたいに狭くない
お前を尊敬する奴もいれば恨む奴もいる
嵐って名前聞いただけで
逃げる奴もいればけなす奴もいる」
何が言いたい?
「そういう世の中を知ってほしかった
桜の総長という言葉の重みを知ってほしかった
これから先お前が桜華会の中心に近くなって行くのは確かだ
女のお前がやりたいというならな
今お前がやるべきことはなんなのか考えて行動しろ
桜の総長として何をすべきなのかを
無事に人質を助け出したら母さんから話があるそうだ
気をつけて行って来い」
親父がほほ笑んだ気がした



