「送ってやるよ」


雄雅に言われる


「サンキュー」


二人でたまり場を出た


「テスト勉強したいからってそんなにピリピリすんなよ


祠希だって悪気があるわけじゃねえし」



「分かってる」


「だいたいお前が開いてる問題集


紅花とレベル違うだろ?」





「え?」


ばれてると思わなかった


「もしかして気付かずやってたわけ?」


雄雅が笑う


「えっあーうん」


とりあえずごまかす



「マジで追試なんじゃねぇの」




追試とか今まで一度もなったことねえし




「困ったことあれば言えよ


勉強教えてやるから」



“海竜たちがお前を疑ってる”



この間の瑞也の言葉を思い出す



いつかバレテしまったらあたしはここにはいられなくなる



それも時間の問題かもしれないんだ



「波夏行くぞ」



ヘルメットが飛んでくる



「うん」



それまではこいつらと一緒に笑っていたい






って今はそんなこと言ってる場合じゃなかった!






そして終わった紅花のテスト



あたしは次の日から紅花を休み隆黒に通った



しかし雄雅たちはあたしが嵐であるという仮説を確かにし始めていた