全然知らなかった・・・



「嵐は女なんですよね?」


那智が聞いた


「それはお前らの下っ端が確認したんだろうが」


「まあそうなんですけど・・・」



「誰かが嵐にでも見えんのか?」


瑞也さんが笑う



「見えないから困ってるんです


そうなら話のつじつまは合う



でもそんな風には見えない


だから困ってるんです」


俺は言った


「へー」


「嵐の本名ご存じですか?」


那智が聞いた



「本名?



嵐は嵐だろ



本名もくそもねえよ


海竜さ嵐に惚れてんの?」





「は?」


瑞也さんの質問に俺は固まった



「嵐には秦がいるぞ


リングまでプレゼントする仲だし相当頑張らねえと



んじゃ俺授業に戻るから」



「ありがとうございました」



那智が頭を下げる




瑞也さんは校舎の中に入って行った





リング・・・

初めて違う指輪をして来た波夏のあの指輪は



誰かからもらったものだった・・・


秦さん・・・


あり得なくない


やっぱり波夏なのか?