-雄雅side-



「考えすぎだろ」


那智に言われる


「でもおかしいだろ」


「それでも波夏を疑うのはどうかと思うぞ?」


俺は一つの指輪を眺める


“今日はこれの気分だった”


あの日以来俺が拾ったのと同じ指輪はしてきてない


つまりこれが波夏のものだった可能性があるってことだ


でもこれが波夏のものだったとしたら落ちていた場所がおかしい


夢紅の下っ端が清那まみを監禁していたところに落ちている意味がわからない


「だってお前分かってるだろ?


嵐の兄貴は伝説の廉で


それと結婚したのは女不良の華蓮だ


つまりお前が言うことが正しければ


桜江夢華は華蓮ってことになる


そんな風に見えねえだろ」


「見えねえとかいう話になったら


波夏だって見えねえよ


でもじゃあなんで文化祭に


嵐は現れなかったんだよ?


あの中にいない理由として



嵐が紅花にいたからってなれば話は通る」


「あれは秦さんが桜華会に行ってるって言ってただろ?


白龍が動き始めたんだ


あり得ねえ話じゃねえよ」


「でも俺達と桜が会うときは絶対に嵐はいない」


「それはそうだけど・・・」


俺は嵐に会いたい


それだけかもしれない


でも・・・