コツコツコツコツ


夜中の工場にあたしのヒールの音が響く



「おいっ嵐

ホントにここなのか?」



琉桜副総長 九条秦(くじょうしん)に聞かれる




確かに静まり返っていた



しかしここまで来たら引き返せない


とにかく奥に進んだ





「嵐…」

幹部の中澤千秋(なかざわちあき)あたしを呼んだ



「ん?」



千秋がや指差す方を見ると明かりが見える



あたしは頷いた






ダンッ

錆びたドアが派手な音をたてて開いた



「誰だてめぇ!」


いきなり殴りかかってくるなんてただのばか


そいつの手はあたしの顔の前で秦に止められた




「嵐には指一本ふれさせねぇ」