恋を知るまでの距離




キーンコーンカーンコーン…



鐘が鳴って、ようやく1時限目が終わった。



櫂の方を見て、私は話しかけようと口を開こうとした




「ねぇねぇ!杉浦くんっ!」



…が、それは女子達に阻止された。


まじかよ。



あーあ、久しぶりに話したかったのに。



先こされたよー…



恐るべし女子力。

櫂は本当にかっこいいからなぁ。



私なんか…

つりあわない。



そもそも、中学のときに美形に囲まれてた私って…

KYじゃね?



櫂、見てくれないかなー?

とか、淡ーい期待を持ちながら櫂を見る。


バチッと視線が合わさった気がする。

私の気のせい?



でも、櫂見てた?私のこと。


って、自意識過剰?



はぁ…と深いため息を吐いた。



「ごめん、ちょっとどいて」


櫂の低くなった声をボーっと聞いてた。


ほーんと、かっこいいよなぁ。


なんて気楽に考えていた私。