恋を知るまでの距離




キーンコーンカーン

予鈴が鳴ると同時に担任の原田が入ってきた。

「おはよう。今日は号令の前に転入生を紹介する。入れ」

「はい」


その転入生が入ってきたと同時に女子は奇声を上げた。


「彼は杉浦櫂だ。みんな仲良くしてやってくれ。そうだな、席は赤峰の隣だな」

「はい」




えっ?……

杉浦…櫂…って



「翼…転入生って…あの櫂…?」

奏人も優愛も信じられない顔をしていた。

現に私だって今、固まってるし。

声は声変わりしたのか、少し低い。
背は20センチくらい、伸びた?

中1の頃の櫂しか知らないから、櫂じゃないみたい。

だけど、面影はあって。


なんていうか…かっこいい。