ーーーーー10分後。
私の携帯が再び鳴った。
私と翔哉は、2人で私の
携帯をみる。

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今回の条件はたったひとつ。
愛音さん、あなた独りだけで
行ってもらいます。
ミッションは、校舎内の
赤ボタンを探して押すこと。
ただそれだけ。
ただし、時間は10分。

あと3分後。開始。

         以上。

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読み終わると、翔哉が声をあげた。

「はぁ!?愛音独り!?
……無理だ。あぁっ!もうっ!」

翔哉は、突然握り拳をつくり
痛めつけるように強く握っている。
…そんな事したら翔哉の手が!!
私はそう思い、そっと包むように
翔哉の手に手を添える。
すると、翔哉は驚いた顔をして
徐々に手を緩めてくれた。
そして、安心させるように私は言う。

「私なら大丈夫だよ。
安心して待って………」

すると、急に手を引き寄せられて
私は翔哉の胸元に顔を埋める形になった。

「翔哉……?」

「ばっか。お前じゃなくて、
俺が嫌なんだよ。離れたくない。
危険な目にはあわせたくないんだよ…。」

「翔哉……。」

翔哉は、どれほどの心配を
してくれているのだろう。
きっと私にも計り知れないほど
私を大事にしてくれているんだ。

「ありがとう、翔哉。
私も離れたくないけど、行かないと。」

私がそう言うと、翔哉は私の体を離し、
私の目を見つめた。

「大丈夫か?」

「……うん。」

「本当に?」

「大丈夫……。」