ガチャガチャ。

資料室の扉をいじってみる。
すると、内側にいたので資料室の
鍵を開けることは出来た。

「翔哉!鍵、開いたよ。」

「はぁ。良かったぁ。じゃあ、
急いで資料室を出よう。」

「うん…。」

不安が募る。…まさか、大丈夫だよね?
そう思い、俯いてしまう。すると、

「ほ~ら。暗い顔すんなって!」

翔哉はそう言って私の頭を優しく撫でた。
いつも俺様のくせに…っ!!
こういう時は凄く優しい。翔哉はずるい。
そう思っていると、翔哉が、「ん。」
と言って手を差し伸べる。
私は訳が分からず、戸惑ってしまう。

「手だよ。手。手ぇ繋いでやるから。
ほら。」

゛繋いでやる。゛そう言ったくせに、
自分から握ってきてるし(笑)
そう思いながらも嬉しくて、
私も手をつないだ。すると、

「今日は素直じゃん。可愛いな。」

「うるさい。ちょっと怖いの!!」

そう。外はもう暗い。時間は午後7:48。
私は怖くて、体が震え始めた。
…暗い、寒い、怖い。
すると、何かが私の体を包んだ。
翔哉が私を抱きしめていた。

「馬鹿。あんまり無理すんなよ。
…゛俺がいるから。゛」

翔哉はいつも、私が悩んだり、
困ってたり、怖かったりすると、
゛俺がいるから。゛って言ってくれる。
本当に優しいな…。

「ありがとう。もう大丈夫だから。」

すると、翔哉は私から離れた。
…本音を言うと、まだあのままで
いたかったな(笑)

「愛音、無理はすんなよ。
じゃ、校舎を見てこう!!」

「うん。」

私と翔哉は2人、手をつないで
ただ廊下を走っていった。