そして賃金は縫製工場などなら日本円にして月額5千円から6千円。月給が、である。
現在では中国都市部の5分の1の水準だ。
東南アジア諸国中でも最も安い。

さらにいい事にミャンマーでは中国企業と競合する可能性が低い。
他の東南アジア諸国だと華僑のネットワークを通じて中国企業が進出してきてライバル関係になってしまう危険がある。

ミャンマーは軍事政権時代には中国と親密な関係にあり、中国の援助で独裁体制を維持してきたのだが、近年の中国の勢力膨張で逆に関係が悪化している。
中国に親分風を吹かされるのに辟易したわけで、最近の民主化も実は中国の影響から脱するべく欧米の民主化要求を受け入れた面がある。

こういう国に日本企業がどんどん進出すれば、日本も助かるし、ミャンマーも悲願の経済発展の突破口になるし、周囲のASEAN諸国にとっても中国の過度の経済進出に対するストッパーにもなる。

クールジャパンも結構だが、文化輸出には日本語を深く理解してくれる人材がその国に多くいないと成功しない。
情けは人のためならず。
ここでミャンマーを助けるために日本語に堪能なミャンマー人を育成しておいて、損になる事などないはずだ。