だから女系という概念に断固反対している人たちの全員が「女性天皇」に反対しているわけではない。
 愛子さまが一代限りの女帝として天皇になるのなら、歴史的前例があるのだから、何が何でも反対する理由はない。

 問題は次代の天皇である。愛子さまが女性天皇に即位して、男系男子の皇族と結婚して男子が生まれ、その男子が皇位を継ぐのなら、なんら問題ない。
 だが、現在の皇室には愛子さまと同世代の男子の皇族は秋篠宮家の悠仁さまだけである。
 そういう組み合わせの結婚は、旧皇族に皇統に復帰してもらわない限り不可能だ。

 もし愛子さまが天皇に即位して、今は民間人である男性と結婚して子供ができて、その子が次の天皇になるとする。この代の天皇は本人が男でも女でも「女系天皇」になる。
 女性宮家を創設して、同じく民間人との間の子供が皇位を継承した場合も同様である。
 「女系天皇」というのはこの事である。「女性天皇」とは全く意味が異なるのだ。

 また過去8人の女性天皇のうち4人は生涯独身であった。皇位継承争いを避けるため、という面もあっただろう。
 愛子さまに一生独身でいろとか、最初から結婚相手が旧皇族に限定されるとか、そんな人生を押し付ける事になりはしないだろうか?