さてキューピッドだが、キリスト教の天使の一種だと誤解している人が欧米にもけっこういるらしい。
 キューピッドはローマ神話のヴィーナスの子供で、大勢いる愛の神の総称である。3、4歳ぐらいの幼児の姿の神様たちで男女両方いる。
 だからキリスト教会にとっては異教の神であり、本来排撃される物だ。

 そこで背中に翼があるという天使との共通点を強調した姿で絵に描かれるようになった。
 が、キューピッドは翼と弓矢以外は一糸まとわぬスッポンポンである。幼子の姿とは言え、性にまつわる表現に厳しくなった現代ではアレがついている姿を描くわけにはいかなくなったらしい。

 昔のキューピッドの絵は男女ペアで描かれていた物が多く、男の子のキューピッドの股間には当然可愛らしいアレがついていた。それがいつの間にか、やはりナニを描いた絵を青少年に見せるのはアレではないか?という心配をする大人が出て来たのだろう。
 
 アレと言っても幼子の姿ならそんナニ気にしなくても、と思うのだが、そこはやはりナニかとアレだったのだろう。
 その結果キューピッドの絵というのは全て女の子のように見え、最初の傾向になっているらしい。