返事がなかった。
なんだか怖くなってきた。

ベッドの周りはカーテンがしてある。
カーテン越しに
人の影がはっきりと
うつった。
背が高く、男子のようだ。
誰だろう・・・。

と思っていたら、
こちらに近づいてきた。
カーテンが勢いよく
シャッっと
開けられる。
思わず布団を
頭まですっぽりと
かぶった。

「百合ちゃん・・・?」

聞き覚えのあるその声に
布団を少しだけ
めくってみた。

「え・・・。
晃介くん・・・?」

あ、そっか。
同じクラスだから
分かったんだ。
私が保健室に
来たこと。

「大丈夫?」

「う~ん、微妙かも。
って、晃介くん
授業始まっちゃうよ?」

「いや、俺も休もうと思ってさ。」

「どうしたの?
具合でも悪いの?」

そう聞くと
晃介くんは笑って、

「はははっ。
百合ちゃんは
自分の心配より
俺の心配をしてくれるんだ~」

「え・・・。
いや、だってさ?」

「優しいなぁ~。
優みたいっw」

無邪気に笑う
晃介くんは、
子供のようだった。

「で、どうしたの?」

「ん?仮病w」

なんと・・・!
そんな事を
する人だったんだ。

「なんか、
晃介くんって
面白いねw」

自分でも分からないが
自然と笑っていた。

「お。
意外な一面
見ちゃった~。」

「へ?」

「だって、
百合ちゃんって
いっつも
瑠香ちゃんと
いるときしか
笑わないし?」

そうだったのか・・・。
てゆーか、
そんなとこまで
見てんたんだ。

「よく見てるね。」

「ん?
そう・・・かな?」

少し改まって、

「百合ちゃん、
あのさ・・・」

「?」

「俺と今週の日曜に
付き合ってほしいとこが
あるんだけど・・・。」

・・・!
えっ。
こんなに早くに
誘いがくるとは
おもわなかった。

「ダメかな・・・?」