あれから11年。
私は16歳にちょうどなり、
高校生になった。

「百合おはよーっ!
アーンドおめでとう!」

この子は渡辺瑠香(ワタナベ ルカ)
中学からの仲で親友。

「ありがとー!瑠香っ。」

「いえいえ〜♪
てか本当凄いね!
入学式に誕生日ってw」

「あぁ〜…。
確かに珍しいかもね〜…。」

「どした?元気ないじゃん。」

「えっ?そうかな?
いつもと同じだけど?」

「ならいいけど、
悩みとかあったら
相談乗るからねっ。」

「うん、ありがとう♪」

瑠香は優しい。
いつも私が元気がないと
こうやって
優しくしてくれる。
けど、唯一言えない事。
…5歳の誕生日の日。
【 嘘でしょ? 】
この一言がどれだけ
優くんを傷つけたかだ。
本当は言いたいけど
過去の事を
いつまで引きずる子だって
思われたくないからだ。


そんな事を思いながら
学校に行く時…

ドンっ。