「あんたら、ボール持った途端に焦りすぎ」
「だからすぐボール取られんだよ」
「あの茶髪の奴がパスカットしまくってんの気づいてたか?」
「どうせ気づいてないだろ、あんたら周り見てないし」
千鶴の指摘に、みんな言葉をなくした。
図星だったんだ。
「だから、攻撃側に回ってもあの茶髪からは絶対にマーク外すな」
考え込むような姿勢を取っていたひとりが、千鶴を見つめる。
「‥‥誰があの子のマークにつけばいいと思う?」
「そうだな―――」
ハーフタイムの間、作戦会議が続いた。
その中心は千鶴で。
試合に出れないわたしは、あまり口出ししないように見守っていた。
ふと、周囲を見渡すと。
離れた場所に神崎の姿がある。
彼は千鶴を見ているんだろうか。
千鶴は彼に気づいてるんだろうか。
わたしには関係のないことなのに。
ちょっとむず痒い感覚になるのは、なんでなんだろう?
