もうすぐバスケの試合がはじまる。
わたしは再び教室に向かった。
千鶴を起こさなきゃ。
教室に入ると、やっぱり千鶴が床に寝そべっている。
胎児みたいに丸くなって。
すーすーと気持ち良さそうな寝息を立てて。
こんなとこでよく寝れるよなあ。
背中痛くないのかな。
ていうか、普通は恥ずかしくて無理だよね。
「時間だよ」
声をかけてから、千鶴の肩の辺りを揺すってみる。
「おーい、時間だってば」
何度か繰り返す。
そうしてやっと千鶴の目蓋がピクピクと震えた。
「あ、起きた?」
「――起きてない」
「起きてんじゃん!」
まったくもう。
千鶴はかなり寝ぼけてるみたいだ。
目がとろんとしてるし、口がぽかんと開いている。
わたしは千鶴に右手を差し出した。
「ほら、行こ」
「ん‥‥」
すると、素直に白い手が重なった。
