わたしは手紙を折りたたんで、封筒に入れた。
無関係のわたしが読んじゃってごめんよ、神崎。
封筒を千鶴に返しながら、彼女の表情を見る。
「これ、どうするの?」
「行く」
「え?!」
「ちょうど見たい映画あったし」
わたしはへなへなと脱力した。
映画のほうに食いついてんのかよ!
千鶴がまたあくびをする。
「‥‥つーか、今何時?」
聞かれて、はっとした。
「やばい、テニスはじまっちゃう!」
わたしは杖を拾って立ち上がり、扉へ向かい歩きだす。
急がないと!
こんな足じゃ急げないけど!
扉をくぐる前に振り返ると、やっぱり千鶴が床に横たわっている。
「‥‥まだそこで寝るの?」
「ああ。時間になったら起こせ。友達だろ?」
千鶴が当然のように言う。
わたしは軽く息を吐いて、教室を後にした。
