『宝田千鶴様
今度の日曜日、よかったら一緒に映画を見に行きませんか?
午後一時に駅前の広場で待っています。』
こ、これって‥‥。
「ラブレター?!」
思いっきり食いついてしまった、わたし。
それなのに千鶴は首を捻る。
「そうか? 呼び出しかけてるだけだろ」
「だってデートじゃん!」
「ふーん?」
なんでとぼけてんだよお!
デートだよ?!
ふたりで映画だよ?!
こんな誘いなんか数えきれないほどされてきたから感覚が鈍ってるってことなのか?!
この美少女め!
頭の中の叫びは口に出ないように押し止めて、問いかけてみる。
「それ、誰からなの?」
「神崎」
「うそお?!」
学級委員長の神崎が?!
転校初日の千鶴に『馴れ馴れしく下の名前で呼ぶな』とか言われてた神崎が?!
嘘でしょ、なんで?!
「なあ、あいつってマゾなのか?」
千鶴が真顔でわたしに聞いた。
そんなこと知るわけないじゃんよ‥‥。
