「ちょ、ちょっと‥‥!」
ひやりと寒気がして、千鶴に駆け寄る。
その時、杖を持つ右手から力を抜いてしまったらしい。
投げ出された杖が床にぶつかって、派手に音を立てた。
千鶴の目が開く。
「――なんだよ、うるせーな」
あ、れ?
あっさり言葉が返ってきて、拍子抜けするわたし。
「こんなところに倒れてるから、ビックリして‥‥」
胸元を押さえながら言うと、
「寝てただけだ」
千鶴はあくびをしながら答える。
くそう。
ビックリしてドキドキしたのを後悔した。
「机に入ってた手紙読んでたら、急に眠くなってさ」
千鶴が落ちていた紙を手に取って、わたしの目の前に晒した。
シンプルな便箋だ。
文字は丁寧で、少し堅い。
わたしはその文面に目を通してみた。
