その日の夜は眠れなくて。 わたしは枕をぎゅううと強く抱き締めていた。 千鶴が自分を大事にしていないのが悲しい。 千鶴が他人も大事にしていないのが悲しい。 足が痛いのがムカつく。 千鶴にあんなキスをされたのがムカつく。 感触と温度が消えないことがムカつく。 友達になれるかもしれないと思ったんだ。 態度がアレでも、中身はイイ奴かも知れないとも思った。 それなのに――。 頭の中がぐるぐるしている。 ぐるぐるぐるぐる。 何百週も回った頃、やっと夜が明けた。