でも、声を出すことは叶わなかった。
千鶴の舌が口内に入り込んだからだ。
「―――っ」
とっさに後ろに逃げようとしたけど、千鶴の両手が邪魔をする。
ぬるりとうごめく舌が、歯列を撫でた。
やっぱり、熱い。
「んぅ!」
抗議の声は飲み込まれる。
なにこれ!
なんでこんな!
舌先を吸われて噛まれて、目頭が熱くなった。
酸素が足りなくなってくる。
息が――。
「や、めて‥‥!」
わたしは華奢な肩を力任せに押して、引き剥がした。
千鶴が笑う。
「わかっただろ?」
静かで暗い笑い方だった。
「こういうことして、遊んでたんだよ」
