運転席に座った先生は、へなりとハンドルに凭れる。
「でも、俺の気持ちも考えて見ろよ」
「隣に生徒が住んでて、しかも朝帰りとかしてたら」
「そりゃ、口うるさくもなるだろー」
それはまあ、確かになあ。
わたしは先生に同意して、頷いた。
そういえば、千鶴の部屋に行ったとき、
『ふらふらすんじゃない』
とかって先生が言ってたっけ。
「千鶴が夜中にどこ行ってるか知らないか?」
聞かれて、首を捻るわたし。
「‥‥さあ、わかんないです」
素直に答えると、先生は眉尻を下げて軽く笑った。
困ったような表情だ。
「あいつ、昨日一昨日は『奈々子の家に泊まった』って言ってたけど」
「えっ」
「やっぱり、あれは嘘だったんだな」
先生はまた、ため息を吐いた。
