「くすぐったい‥‥っ」
止めようとして、千鶴の手首を掴んだ。
でも、彼女の行為は止まらずに。
ちゅうっと傷口を吸われる。
「―――!」
ピリッとした痛みに、わたしは思わず目を閉じた。
その時、遠くから足音が聞こえた。
タカタカタカ。
おばちゃん保険医が中里先生を連れてきたに違いない。
「ち、づる!」
離してほしくて名前を呼ぶと、やっと手からくちびるが離れた。
「ただの消毒だよ」
千鶴が囁く。
「友達だから、このわたしが手当てしてやったんだ。喜べよ」
「な――っ」
その時、ガラッと扉が開いて、中里先生が入ってきたから。
口から出かけた文句を、慌てて飲み込んだ。
