「見せたいもんがあんだよなあ」 お隣さんに言いながら、わたしに向かって手を揺らす千鶴。 来い、というジェスチャーらしい。 仕方なく近づくと、千鶴の腕がわたしを捕らえた。 首に腕を回されて。 顔を近づけられて。 窓へと引き寄せられて。 「うわあっ」 わたしは体勢を崩して、ベランダの手すりに掴まった。 「――奈々子じゃないか」 わたしの姿を見たお隣さんが、驚いたみたいに呟く。 わたしも、ビックリした。 「せ、せんせい?」 千鶴の部屋のお隣さんは、担任の先生だったのだ。