「これ、飲んでいいの?」
「好きにすれば」
そう言うなら、と遠慮なくサイダーを飲んだ。
間接キスとかそんなの気にしない。
潔癖じゃないし。
喉渇いてるし。
千鶴が本を読みはじめてしまったので、わたしは本格的に暇になる。
「なに読んでんの?」
「小説」
「どんな話?」
「ボロアパートに引っ越してきた主人公が、怪奇現象に悩まされる話」
「ホラー?」
「ああ。今、ポストに入れられた猫の死骸を見つけたとこだ」
そんなの読んで怖くないんだろうか。
自分だってこのアパートに引っ越したばっかりだっていうのに。
その時、外からカンッと鈍い金属音が聞こえて。
思わず体を震わせてしまった。
