千鶴の部屋は二階の突き当たりだった。
「入れ」
「‥‥おじゃましまーす」
恐る恐る、足を踏み入れる。
そこは至って普通のワンルームだった。
外観とは裏腹に、なかなか綺麗な洋室。
千鶴が入ってくる前に、改装したのかもしれない。
インテリアはシンプルだ。
小さなテーブルとシングルベッド。
ベランダに出る窓の横に、カラーボックスがふたつ。
家具と呼べるものはそれだけで、色は白に統一されている。
ずいぶん生活感のない部屋だな、と思った。
テレビもないなんて。
「一人暮らし?」
少なすぎる荷物からそう予想して聞いてみたけれど。
「違う」
短い言葉で否定される。
わたしは首を傾げた。
