窓の外はすでに暗くなりはじめていた。 外から運動部の声が聞こえるけど、教室は静かで。 室内にはわたし達ふたりだけ。 なんだろう、この状況は。 なんで千鶴がわたしの前の席にいるんだ? 「えと‥‥なにしてんの?」 「なにも」 千鶴はそっけなく答えた。 「はあ‥‥」 わたしは困ってしまって、とりあえず帰り支度をはじめる。 机の中の物をスクールバッグに詰めているわたしを、千鶴が眺めていた。 なにを考えてるんだろう? 千鶴はただただ無表情だ。 「奈々子」 唐突に。 千鶴がわたしの名前を呼んだ。