「‥‥‥」 ボールが彼女の足下に落ちる。 「ごめんなさーい」 謝りながらボールを拾いに行くわたし。 高校生にもなって馬鹿なことしてるって思われたかな。 もう少し広い所で遊べばよかったかも。 彼女は顔を動かさず、視線だけをこちらに投げかけた。 かちりと目が合って。 わたしは思わず息を飲む。 腰に届きそうな長さの癖のない黒髪。 真っ白い肌。 瞳は涼しげな切れ長で、くちびるは薄い。 まるで、掛け軸から抜け出たようなーー。