会話がなくなる。 グラウンドでサッカーをする男子の声。 体育館から響いてくるバスケットボールの音。 そんなものだけが耳に入ってくる。 千鶴の顔を見た。 精巧に繊細に作られた、人形みたい。 本当に綺麗な生き物だなあ。 黙っていれば、だけど。 「疲れた‥‥」 わたしの呟きに、千鶴はなんの反応も示さない。 もう眠ってしまったんだろうか? それとも、無視か。 わたしは千鶴の横に寝転がった。 ほんと、疲れた。