千鶴がやって来たのは、それからすぐだった。
白いワンピの上にミリタリーシャツを羽織って。
頭にはデニム素材のキャップを被って。
千鶴は黒髪を揺らしながら、神崎のそばへ歩み寄る。
ふたりでなにか喋ってる。
けど、ちょっと聞こえない。
「もう少し近くにいればよかったなあ」
独り言を呟いたとき、千鶴と神崎がこちらに向けて歩き出したから。
わたしは慌てて顔を背ける。
ふたりはわたしのすぐそばを通って行った。
わたしは携帯を弄るフリしながら、ちらりと千鶴を盗み見て。
「―――」
息を止める。
なぜか、千鶴の左頬が白いガーゼで覆われていた。
