「あっ!!そうだ、放課後空いてる?」
唐突に夕菜に言われた。
「うん。空いてるけど、どうしたの?」
「えっとね…。ちょっと付き合ってほしいところがあるんだ。」
どこだろう。
夕菜から誘ってくるなんて珍しい。
「いいよ」
放課後が楽しみだなぁ。
いつも私から誘っていくからなぁ。
どこでも、夕菜と行くなら楽しいからなぁ。
放課後が楽しみ。
なんて、思って窓の外を見ていたら黒いものが通って行くのが見えた。
いや、正確には飛んで行った。
カラスではないと思う。
もっと大きいもの。
なんだろう。
このときは、そんなに深く考えていなかった。
この黒いものが自分のこれからの人生に大きくかかわってくるとは知らずに…。