海☆恋




未来が私に向き直る。



「先生と私は、ただの幼なじみじゃあ無いんだぁ。」


「え?」



未来は、微笑もうとしていたがいつもの笑顔とは、ほど遠かった。



「私……………先生といない方が良いのかも知れない。」



未来は少し目を細めて空を見上げていた。



私は、静かに首を横に振る。



「私と先生は、産まれた時からの婚約者なの………………でもね、私では、駄目なの……………瞳じゃあないと駄目なの。」



未来は、自分の膝に顔を埋めた。



「どう言う事?」



今までこんな話を聞いたことが無かった。



いつも元気な未来のこんなに辛そうな顔は初めてだった。



私は、少し未来の顔を覗き込んだ。



少しでも、未来の役にたちたい

いつも、私の相談に乗ってくれた、いつもそばにいてくれた未来だから………………。



「先生は………………瞳が……………好きなんだよ。」



未来の瞳からは、一筋の涙が流れ落ちた。



「未来……………。」



私は、静かに未来を包み込んで背中をさすってあげた。



「ッ…………!うわぁぁぁぁぁぁぁん!」



未来は、私にしがみつくと泣きじゃくった。