未来が私に向き直る。
「先生と私は、ただの幼なじみじゃあ無いんだぁ。」
「え?」
未来は、微笑もうとしていたがいつもの笑顔とは、ほど遠かった。
「私……………先生といない方が良いのかも知れない。」
未来は少し目を細めて空を見上げていた。
私は、静かに首を横に振る。
「私と先生は、産まれた時からの婚約者なの………………でもね、私では、駄目なの……………瞳じゃあないと駄目なの。」
未来は、自分の膝に顔を埋めた。
「どう言う事?」
今までこんな話を聞いたことが無かった。
いつも元気な未来のこんなに辛そうな顔は初めてだった。
私は、少し未来の顔を覗き込んだ。
少しでも、未来の役にたちたい
いつも、私の相談に乗ってくれた、いつもそばにいてくれた未来だから………………。
「先生は………………瞳が……………好きなんだよ。」
未来の瞳からは、一筋の涙が流れ落ちた。
「未来……………。」
私は、静かに未来を包み込んで背中をさすってあげた。
「ッ…………!うわぁぁぁぁぁぁぁん!」
未来は、私にしがみつくと泣きじゃくった。
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