グイ
そう言って私を引っ張り歩きだそうとする。
「未来!いったい何処に?!」
するとニッコリと微笑み後ろを振り返った。
「屋上よ!」
そう言うと私達は、屋上までの道を急いだ。
ギィ~
大きな音をたてて重い屋上の扉が開いた。
「未来…………急にどうしたの?」
未来は、悲しそうに私の手を握った。
「私が聞くまでずっとそんな辛そうな顔をしとくつもりなの?」
「え?」
あまりの事に私は、目を見開いた。
「いつも楓君と話した後は辛そうだよ
私が話を聞くまでずっと!私立花にいつも笑顔でいて欲しいの!
悲しい顔何てして欲しくないの!辛かったら話して!瞳も立花も何て絶対に嫌なの!お願いだから!」
未来は、もう目に沢山涙を溜めて私の手を握りしめていた。
未来の双子の姉の瞳も私と同じ病気……………瞳は、もう学校には行けないかもしれない
だから余計に未来は辛くなって秘密を作る私に全てを聞くまで何も考えられなくなってしまうのだろう。
私にとって未来は、とても大切な親友だ、そして私の秘密を知る本当に僅かな大切な人。
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